筆者は現在大手SIerでエンジニアとして働いていますが、年功序列の社風によってさまざまな理不尽な現実に直面しています。
この記事では筆者の体験をもとに、年功序列によって起きる悪い実態を5つ紹介します。
これから就職・転職を考えている方は、ぜひ会社選びの参考にしてください。
若い人にとっては理不尽なことが多いです、、
そもそも年功序列とは?

年功序列とは、官公庁や企業などにおいて勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金を上昇させる人事制度・慣習のシステムです。
年功序列は勤続年数や年齢が高くなるほどスキルや経験が蓄積され、組織において高いパフォーマンスを発揮できるという前提に基づいています。
大きな特徴は、同じ会社に長く勤務すればそれだけで役職や賃金が上がるということです。
年功序列の実態5選

若いうちは昇進しづらい
1つ目は「若いうちは昇進しづらい」です。
筆者の会社では新卒で入社してから、早くても3年目でやっと1段階昇進して、その次に昇進できるのは5年目以降ということが当たり前になっています。
これは、評価のベースが個人のスキルよりも勤続年数を重視しているからです。年功序列の説明でも紹介しましたが、勤続年数や年齢が高くなるほど、組織において高いパフォーマンスを発揮するという前提があります。
昇進するのに十分なスキルがあっても、勤続年数が足りていなければ昇進できないというのが年功序列の弊害の1つです。
能力が給料に反映されにくい
2つ目は「能力が給料に反映されにくい」です。年功序列は一定のペースで昇進して給料が上がる代わりに、個人の能力があまり反映されません。
もちろん各個人の実績を評価する指標はあり、それがボーナスに反映されることはあります。しかしそれだけなので、能力と給料が見合っていないケースが多いです。
安定して一定の給料をもらい続けることができる代わりに、成果を出して大きく給料が増えることがないのです。
優秀な若手社員が転職してしまう
3つ目は「優秀な若手社員が転職してしまう」です。先述した通り、年功序列の会社では能力が給料に反映されづらいです。スキルが高い優秀な社員はなかなか能力に見合った給料がもらえません。
これにより優秀な若手社員ほど「現在の会社に不公平を感じている」や、「現在よりも高い給料を得られる」という理由で転職していきます。
実際に、私の会社に質問したら何でも応えてくれる優秀な先輩が2人いたのですが、2人とも私が入社してから1年以内に転職してしまいました。
仕事ができない人もある程度の地位にいる
4つ目は「仕事ができない人もある程度の地位にいる」です。
仕事ができない人でも長く勤めればある程度昇進することができてしまいます。部下からしたら「どうしてこの人がこの役職なんだろう?」と思ってしまうような人がいるのも事実です。
実際に私の職場でも勤務時間の3分の1を喫煙ルームで過ごしているような人が、私よりもかなり上の役職で働いています。
このように、多少仕事ができなくても昇進できてしまうという実態が、社員のモチベーションを下げてしまいます。
スキルアップのインセンティブが弱い
5つ目は「スキルアップのインセンティブが弱い」です。
先述した通り、多少仕事ができなくても働き続ければ昇進できてしまいます。そしてスキルの高さは給料にあまり反映されません。
これにより、社員にとってスキルアップすることが重要ではなくなり、スキルアップのインセンティブが弱くなってしまうのです。
年功序列にもメリットはある

年功序列の悪い面を紹介しましたが、もちろんメリットもあります。例えば以下のようなものがあります⇩
- 一定の給料が保証されている
- 社員間の連帯感が生まれやすい
- 社内教育がスムーズにいく
- 人生設計が立てやすい
日本の雇用制度を長く支えてきただけに、年功序列も悪い点ばかりではないことがわかります。
職場選びの参考に
この記事では私の体験をもとに「年功序列の会社の実態5選」を紹介しました。
近年、日本独自の慣習である年功序列制度の批判が高まりつつありますが、実際に年功序列の会社で働いてみてその理由がわかったような気がします。
年功序列か成果主義どちらに向いてるかは各個人の仕事に対する姿勢で変わると思いますが、「若いうちからスキルアップして活躍したい!」という方には成果主義が強い会社の方が合っていると思います。