ビジネスマナーの研修を受けた中で、「この言葉遣いは覚えてない人が多いな」「誤って使っている人が多いな」と感じた言葉遣いを厳選して紹介します。
自分の言葉遣いが正しいか確かめたい…
無意識で誤った使い方をしていそう…
この記事を読んで、正しい言葉遣いを学習しましょう!
無意識に使いがちな言葉
無意識に使っているけど、使い方に注意しなければならない言葉遣いを紹介します。
会社でも、これから紹介する言葉を誤った使い方をしている人が多くいました。「この人間違ってる...」と思われないためにも、しっかりチェックしておきましょう。
~になる
「~になります。」といった形で非常によく使うこの言葉ですが、使い方に注意する必要があります。
「~になる」は変化を表す言葉であり、敬語ではありません。変化が起きていない文脈で使用するのは誤りなのです。
✖ 「こちらが資料になります」 ⇒「こちらが資料でございます」
✖ 「受け付けはあちらになります」 ⇒「受け付けはあちらでございます」
〇 「そろそろ暑い季節になります」
〇 「30歳になります」
~のほう
この言葉も、多用している方が多いのではないでしょうか。
「~のほう」は方向や選択を表す言葉です。
✖ 「書類のほうはお持ちでしょうか」 ⇒「書類はお持ちでしょうか」
✖ 「お電話のほうさせていただきます」 ⇒「お電話させていただきます」
〇 「私のほうから連絡します」
〇 「駅のほうへ向かってください」
〇 「こちらのほうがコストがかかります」
大丈夫
「大丈夫」という言葉は、相手の具合を聞いたり、励ましたり、「安心・安全・確信」を伝える際に使用する言葉です。
しかし現在、上記以外のシーンで「大丈夫」という言葉が使われています。あいまいな表現となっているため、ビジネスシーンでの使用は避けることが賢明です。
必要を問うとき
✖ 「こちらのパンフレットは大丈夫ですか」 「はい、大丈夫です」
⇒「こちらのパンフレットはお持ちになりますか」 「はい、いただきます」
許可をもらうとき
✖ 「こちらを使用して大丈夫ですか」 「はい、大丈夫です」
⇒「こちらを使用してもよろしいですか」 「どうぞお使いください」
〇 「お身体は大丈夫ですか」(本来の使用法)
すみません
「すみません」は、丁寧語ですが敬語ではないため、ビジネスでは親しい間柄でのみ使うことが適切です。
「すみません」には大きく分けて、1.謝罪、2.感謝、3.依頼の意味があるのでそれぞれにふさわしい敬語表現をマスターしましょう。
1.謝罪 「遅れてすみません」⇒「遅れて申し訳ございません」
2.感謝 「お気遣いすみません」⇒「お気遣いありがとうございます」
3.依頼 「すみません、貸していただけますか」⇒「恐れ入りますが、貸していただけますか」
丁寧さを意識する故に誤りやすい表現
丁寧な言葉遣いをしようとして、かえって失礼な印象になってしまう可能性のある表現をご紹介します。
二重敬語
二重敬語とは、同じ種類の敬語を二つ重ねた言葉を指します。
丁寧にしようとして敬語を重ねてしまうことが、人によっては「慇懃無礼(うわべは丁寧に見えて、その実、尊大なさま)」に感じてしまうこともあるようです。
✖ 「昼食は召し上がりになられましたか」
〇 「昼食は召し上がりましたか」
✖ 「何時ごろお戻りになられますか」
〇 「何時ごろお戻りになりますか」
させていただきます
「させていただきます」は「させてもらう」の謙譲表現です。
自分が行うことに対して、相手から許可をもらい、そのことで恩恵を受ける気持ちや事実がある場合に用いられる言葉です。
「させていただきます」という言葉は低姿勢な印象があるため、乱用されがちです。二重敬語と同様に、「慇懃無礼」な印象を与えてしまう可能性があります。
相手の許可が必要な場合
〇 「ご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」
相手の許可が不要な場合
✖ 「確認させていただきます」⇒ 「確認いたします」
✖ 「報告させていただきます」⇒ 「報告いたします」
ビジネスシーンで間違いやすい敬語10選
ビジネスシーンでの敬語表現で、「間違いやすい」と感じた表現を10個ピックアップしました。

さいごに
いかがでしたか?この記事では、多くの人が誤って使っている言葉遣いをピックアップして紹介しました。自分にも当てはまった言葉遣いはありましたか?
この記事が、皆さんのビジネスコミュニケーション力の向上に役立てれば幸いです。
私自身も正しい言葉遣いができるよう、日々気をつけながら生活します。